災害復旧・復興への取組み

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令和6年能登半島地震への対応

令和6年1月1日16時10分頃、石川県能登地方を震源とするM7.6(暫定値)の大規模地震が発生しました。能登地方では最大震度7(石川県志賀町・輪島市門前町)、石川・富山・新潟の平野部中心に震度5強が観測され、能登地方の多くの港湾においては震度6以上が観測されました。
令和6年能登半島地震の特徴として、過去に発生した主な地震に比べて大きな隆起が観測された箇所があります。また、地震に伴う津波も発生しており、珠洲市は波源内にあるため津波が地震直後に到達し、能登半島を回り込んだ津波が収斂して到達した飯田港では浸水高4.3mの痕跡が見られています。


東日本大震災の経験を踏まえて2013年に施行された大規模災害復興法に基づき、能登地域(石川県、七尾市)富山県及び新潟県の要請による国土交通省による代行復旧が行われており、10港湾と2港湾海岸が対象となっています。代行復旧は「海上支援物資輸送拠点」「生業再開支援拠点」「建設資材供給拠点」「再度災害防止」の各方針に従って、復旧に関する検討が進められています。

エコーでは、代行復旧施設のうち、直江津港1施設、伏木富山港1施設、輪島港防波堤2施設、和倉港3施設、和倉港海岸3施設の災害復旧を担当しています。また、その他として富山県、石川県七尾市の所管施設の復旧検討も実施しています。以下、各港湾についての対応状況を示します。

令和6年能登半島地震への対応|災害復旧・復興への取組み

輪島港は、地震により隆起が確認されている地域に位置しており、岸壁や船溜まりの物揚場では1.5m~2.0mの地盤全体の隆起が確認されています。防波堤についても、目視でも隆起が確認できるほどの鉛直方向の変状が生じていますが、水平方向の変位は現時点では確認されていません。防波堤の主要な機能である天端高の沈下は生じていませんが、水深変化に伴う安定性への影響に対しては今後確認し、必要に応じて復旧の対応を行う予定です。

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七尾市の和倉港・和倉港海岸は、能登半島と能登島に挟まれた静穏な内湾に面して多くの観光施設があります。それら観光施設の前面の護岸等の多くに倒壊や傾斜が生じており、地震及び液状化による土圧増加が要因と推察されます。特に和倉港海岸の海岸護岸の一部は、背後の旅館・ホテルに近接しており、護岸の倒壊により建物への影響が懸念されることから、応急的な土留による対策が実施されていますが、早期の本格復旧を進める必要があります。背後施設への近接による施工困難などの課題を踏まえた復旧護岸の検討を進めているところです。

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直江津港では、被害が大きかった鉱産品岸壁に対して早期の復旧検討に着手しました。当面の荷役再開のための応急復旧工事が行われ、2024年3月19日には荷役が再開されています。また、本格復旧に向けた災害査定も終わっており、2024年度内の復旧完了が見込まれています。

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伏木富山港伏木地区では、背後に建物が近い右岸5号物揚場の一部に大きな変状が生じており、直江津港と同様に早期の復旧検討に着手しました。隣接している施設への影響などを考慮しながら復旧断面の検討は終わっており、今後の復旧工事への段階に移行しています。

令和6年能登半島地震への対応|災害復旧・復興への取組み

エコーとしては、各港湾施設の早期の復旧に対応するため、港湾毎の担当者を割り当てて、現地調査や復旧断面の検討作業を進めています。また、国土交通省北陸地方整備局及び港湾管理者とも密に連絡を取りながら、確実な復旧とするための断面の検討を行っているところです。

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