建設コンサルタント株式会社エコー

事業紹介BUSINESS

環境系事業部

環境系事業部は、港湾、漁港、海岸、河川等で、水環境や生態系等の自然環境調査や解析、環境計画づくり等を行っています。
環境改善や生態系の保全・創造に向けて、様々な技術を活用したモニタリング調査や解析を行い、地域環境の保全と整備に貢献しています。

沿岸環境部

沿岸環境部は、沿岸域の水質・底質・流況・海生生物(底生生物、プランクトン、付着生物、魚類、藻場・
干潟・サンゴ礁等)の現地調査、結果の解析、
環境影響評価、モニタリング計画立案、浅場・藻場・
生物共生型構造物・環境改善対策の計画や効果検討等を行っています。

代表的な業務内容

水質・底質調査

海域の基本的な特性や汚濁状況を把握するため
水質・底質調査を行います。
調査は主に船上作業により現場測定、試料採取を行い、分析結果を整理・解析します。
また、海底の土砂を浚渫する際には、工事の際に発生する濁り対策が適切に実施されていることを確認するため、
濁度計を用いた濁り監視調査を
実施します。

水質調査の実施状況
  • 水質調査の実施状況
  • 水質調査の実施状況
流況調査

港湾等の整備前後の流況変化を把握する等の目的で流況調査を実施します。
流況調査は、定点に流速計を設置して15日間や30日間の連続観測を行い、潮流成分等を解析します。
その他、多層の流向・流速を測定する流速計を調査船に取り付け、曳航した断面の流況を把握する調査を実施します。

流況調査実施状況
  • 設置準備設置準備
  • 流速計設置状況流速計設置状況
生物調査

港湾等の整備による生物への影響を把握する目的で生物調査を実施します。
船上作業で行う底生生物調査、プランクトン調査、魚卵稚仔調査、魚類調査、潜水作業で行う付着生物調査、
藻場調査などがあります。
その他、藻場造成や浅場造成等の自然再生に関する事前調査・造成計画検討、事後調査・評価を
行います。

生物調査実施状況
  • 藻場調査(ベルトトランセクト調査)藻場調査(ベルトトランセクト調査)
  • 藻場調査(コドラート調査)藻場調査(コドラート調査)
  • アマモ場調査アマモ場調査
  • 付着生物調査付着生物調査

沖縄環境部

沖縄県は日本で唯一の亜熱帯地域に属しており、沿岸域ではサンゴ礁が発達しています。
沖縄県のサンゴ礁は、観光業、漁業、海岸防護機能において経済的価値が高く、サンゴ礁生態系の保全に配慮した社会資本整備が望まれます。
沖縄環境部は、港湾、空港、道路等の建設整備に際し、付近のサンゴ類生息環境を調査し、サンゴ類への影響を低減する方法を考案する形で環境保全に貢献しています。また、サンゴ類の種苗を生産し、荒廃したサンゴ
礁に移植することで、自然再生を図る試みを行って
います。

代表的な業務内容

工事区域内の水質監視

港湾、空港、道路等の建設整備により、濁りの発生が懸念されます。サンゴ類の多くは、体内に褐虫藻と呼ばれる
微生物が共生しており、褐虫藻の光合成から生成されるエネルギーを利用して生命を維持しています。
水の濁りや巻き上げられた懸濁物がサンゴの表面を覆うことで光が遮られ、光合成を十分に行えなくなり、
サンゴ類は衰弱し、死滅します。
そのため、工事区域内において水質を監視し、濁りが発生した場合は施工業者や事業者と密に連絡を取り、
必要であれば対策を施すことで、サンゴ礁の環境保全に貢献します。

サンゴ類移植

港湾、空港、道路等の建設整備の際に、サンゴ類の分布域を埋め立てや浚渫により改変することがあります。
その際、改変区域内のサンゴ類を周辺の海域に移植することで、環境保全を図っています。
移植の際は可能な限り多くのサンゴ類を採取し、取り残しが無いようにします。
移植先は、サンゴ類が生息できる環境でありながら、オニヒトデの大発生や高水温による白化で一時的にサンゴ類の被度が
減少している場所を選定します。
移植後も定期的にモニタリングし、サンゴ類の状態や再生産の有無を確認し、移植による影響を評価します。

移植元
  • 移植対象のサンゴ移植対象のサンゴ
  • すべてのサンゴを採取済すべてのサンゴを採取済
運搬・固定作業
  • 船上の水槽に収容して運搬船上の水槽に収容して運搬
  • 水中ボンドを用いてサンゴを固定水中ボンドを用いてサンゴを固定
移植先
  • サンゴが少ないサンゴが少ない
  • 移植によりサンゴ群集が回復移植によりサンゴ群集が回復

移植後数年を経過したサンゴ移植後数年を経過したサンゴ

移植サンゴの産卵確認
  • 無人カメラの設置無人カメラの設置
  • 移植サンゴの産卵を確認移植サンゴの産卵を確認
サンゴ類種苗生産

沖縄県では、オニヒトデの大発生や白化現象等により1970年代以降サンゴ類の被度が減少し、
現在まで十分な回復が見られません。
荒廃したサンゴ礁に対し、サンゴを移植してサンゴ礁の再生を図る試みが行われています。
移植するサンゴの入手方法としては以下の3つの方法が考えられます。

  1. サンゴの多い場所からサンゴの一部を採取する方法
  2. 飼育したサンゴを折る等して細分化する方法
  3. サンゴの卵や幼生を採取して稚サンゴを育てる方法

1.については、良好なサンゴを傷つけてしまうこと、
2.については、細分化されたサンゴ類はクローンであるため、遺伝的多様性が失われる等の問題が挙げられます。
一方で、3.は親サンゴを傷つけることなく、遺伝的多様性も確保できるため、弊社ではこの方法を採用し、
技術を確立させ、サンゴ類の種苗を生産しています。

  • サンゴ類のバンドルを採取サンゴ類のバンドルを採取
  • 種苗幼生の着生作業種苗幼生の着生作業
  • 種苗の飼育状況種苗の飼育状況
  • 受精後約1年3か月後の種苗受精後約1年3か月後の種苗

河川・環境部

河川・環境部は、地域にあった川づくりを目的に、若手部員が中心となり、自然・社会環境調査、計画・設計、水理解析等を治水や利用面等も含めて総合的に行い、多自然川づくりから防災対策まで地域に貢献しています。
卒業したての若手社員も最初はわからないことばかりです。しかし、先輩諸氏と一緒に同じ目的に向かって仕事を進めていくにつれ、仕事の内容を理解し、よりよい成果の作成に情熱を傾けています。また、積極的に仕事ができるようになることで、より高い目標を目指して励んでいます。

代表的な業務内容

計画

日本の河川は、治水・利水・環境の3つの機能が調和した多様な空間として成立しています。
河川は、自然が営むダイナミズムがそのまま体現したものとなっており、地域の街作りや川づくり、さらに河川を軸とした流域単位の
生活の様々なところで関わっています。3つの機能を調和して国土の保全と整備を行うための上位が計画となっています。
エコーでは、環境を主体に治水や利水を含めた河川の計画づくりを目指しています。河川の多様性を確保する多自然川づくり、
自然環境の再生や管理及び評価、河川の維持や管理及び利用、水環境や水循環、河川景観、防災・減災等の多面的な
計画づくりに従事し、地域の特徴にあった保全と整備の計画を提案しています。

  • 平常時活用計画平常時活用計画
  • 災害時利用計画災害時利用計画
自然環境調査

河川の自然は、多様な生物の生息成育環境の場となっています。
この環境は、私たちの生活に密接なものとなっており、地域の資源ともなっています。生物環境が悪化した河川や水辺は、
私たちの生活環境にとっても劣悪なものとなっています。
生物多様性等の環境保全は、これからの私たちの生活に必要不可欠となっています。また、近年では外来種など、本来の
自然にはない環境が従来の環境を駆逐するなど、社会問題となっています。
エコーでは、身近な自然環境である生物の生息生育環境の調査、河川の物理的な環境調査等を行っています。
物理環境と生物環境は両面があって河川の環境といえます。これらの調査に向けて、地域にあった様々な提案を
おこなっています。

  • 魚類採捕調査魚類採捕調査
  • 両生類・爬虫類・哺乳類調査両生類・爬虫類・哺乳類調査
自然環境解析

河川の現場は一つとして同じものはありません。河川の計画づくりや設計を行うにあたって、それぞれの現場で得られたデータを客観的に誰もがわかるようにすることで、様々なセクターの方々と河川の保全や整備に向けて議論をすることができます。
エコーでは、現地調査で得られた結果をもとに、物理環境や生物環境及び水環境の面から、干潟・湿地の保全・再生、礫河原の再生、水質予測、地形変化などの地域の課題を解決するための解析や解析結果を活用した保全と整備の手法を提案しています。

水質・水位シミュレーション(将来予測)
  • 綾瀬川
  • 谷古宇水位
  • 手長川
  • 内匠橋水位
数値解析

自然の現象は様々な要因で成り立っており、同じ現象が発生することは非常に希なことです。そのため、河川の洪水、環境変化など、
過去の現象を再現することも非常に難しいこととなります。
エコーでは、物理環境や自然環境等について、津波・高潮・洪水、生物環境の趨勢等を数値解析シミュレーションを駆使して、
かつての事象の再現やデータ変化による予測等を行い、河川の保全と整備に役立てられる技術提案を行っています。

  • 河床形状解析河床形状解析
  • 平面二次元流況解析(流速分布)平面二次元流況解析(流速分布)
設計・施工

河川の保全と整備は、ダム、護岸、水門、堰等の構造物が河川の中にあって、治水・利水・環境の調和した管理を行うことが目的です。
多自然川づくりの河川整備、災害復旧、防災対策の施設、河川の維持管理のための施設等を設計・施工し、国土強靱化に向けた
災害に強い川づくりや環境にやさしい川づくりのために、土木設計や施工が行われています。
エコーでは、多自然川づくりにおいて広範な分野での設計、災害復旧のための設計、魚道、防災施設や水門等の施設の設計を
計画や調査・解析と合わせて実施し、地域の保全と整備に向けた豊かな川づくりを提案しています。

ヨシ原環境再生工事検討(平面形状)
  • ヨシ原環境再生工事検討(平面形状)
  • 横断形状横断形状